Spotifyは4月9日、アプリ内の全ての動画を無効にできる新たな設定機能を導入すると発表した。この設定機能を使用することで、アプリ上で音声優先の体験か、より充実した動画を活用した体験かを自由に選択できるようになると説明している。
同日からファミリープランの管理者は、サブスクリプション設定から直接、メンバーごとに動画コンテンツの表示・非表示を切り替えられるようになった。これまでは13歳未満のユーザーの管理対象アカウントでのみ利用可能だったが、Spotifyによると、これらユーザーの60%は、アカウント管理者により動画が非表示にされていたという。
併せて、世界中の全ユーザーを対象に、アプリ内で動画コンテンツの表示方法を設定できる機能を順次提供開始する。設定するには、設定画面に移動し、「コンテンツと表示」オプションを選択。音楽やポッドキャスト再生時のCanvasループ映像や動画のオン・オフを切り替えられる。
オフに設定した場合も、動画広告や一部オーディオ広告のCanvas動画は引き続き表示される。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Spotifyが動画を全オフにできる設定を導入した。「音声優先か動画優先かをユーザーが選ぶ」という設計は、一見地味だが示唆深い。管理対象アカウントで60%が動画を非表示にしていたというデータは、Spotifyが「動画を見たくないユーザーが想像以上に多い」という現実を直視した結果だ。
YouTubeがStationsで24時間動画配信を強化し、TikTokが動画×音楽で文化を作る中、Spotifyは「音楽を聴くことに集中したい」という需要を守る方向を選んだ。ビデオポッドキャストへの投資、AI DJ、SongDNA——動画と音声の両方を強化してきたSpotifyが、ユーザーに選択権を与えることでそれぞれの需要に応える設計だ。
ただし動画広告とCanvas動画は引き続き表示されるという条件は、収益モデルとの折り合いを示している。「音楽を聴く場所」としてのSpotifyのアイデンティティを守りながら、広告収益も確保する——成熟したプラットフォームの現実的な判断だ。」














