アンビエント番組(暖炉や風景などの映像を流し続ける番組)が大きなビジネスになりつつあり、サムスン、ディズニー、YouTubeが視聴者と収益を獲得している。ハリウッド業界メディア「The Ankler」が10月2日伝えた。
アンビエント番組のはじまりは1966年12月24日に放送された『ザ・ユール・ログ』で、1989年まで毎年放送されたが、広告収入が見込めず打ち切られた。それから数十年が経った現在、テレビが常時稼働するデバイスとなるにつれ、広告付き無料ストリーミングテレビ(FAST)、大手ストリーミングサービス、コンテンツ制作者の収益源となっている。
一部のアンビエントチャンネルでは既に、NetflixやAmazonの広告付きプランよりも1時間当たり広告時間が長くなっており、マーケティング担当者たちは、リラックスした視聴者ほど、自分たちが売り込んでいる商品やサービスに対してより前向きに受け入れてくれるのではないかと考えているようだ。停滞しているテレビ広告市場において、この考え方は注目を集めている。
市場調査会社マーケット・インテロによると、アンビエントモード搭載テレビの世界市場規模は2025年に42億ドル(約6,652億円)となり、2019年から2倍以上に拡大。2034年までに118億ドルに達すると予測している。
サムスンは同メディアに対し、今後数カ月以内に、ユーザーが自分だけのリラクゼーション環境を構築できるチャンネル「ファイアサイド・インタラクティブ」を立ち上げる計画を明かした。
榎本編集長「1966年のクリスマスイブに始まった暖炉映像『ザ・ユール・ログ』は、広告収入が見込めず1989年に打ち切られた。その同じコンテンツが60年後、サムスンもディズニーもYouTubeも参入する収益源になっている。変わったのは番組ではなく、視聴環境の側だ。常時稼働のスマートTVと広告付き無料配信(FAST)の普及で、「誰も熱心に観ていない時間」にも広告を届ける仕組みが整った。思えば音楽が先にこの道を通っている。Spotify共同創業者のダニエル・エク氏はかつて、何百万人もが同サービスを聴きながら眠りにつく現実を「大部分の人にとって全く新しい行動」と語り、直感に反する使われ方の代表例に睡眠を挙げた。私自身アンビエントTVの愛用者として、一つ楽しみがある。くつろいだ空気を壊さずに成立する広告とは何か、という問いだ。注意を奪い合う既存のCMカルチャーとは全く違う表現が、あの静かな画面から生まれてくることに、静かに期待したい。」














