PDFや教科書を含むあらゆるテキストファイルを、TikTokのFor Youページのようなソーシャルメディアのフィードに変換する米国発のアプリ「ScrollEd」が登場した。米国のオンラインエンターテインメント専門メディア「Tubefilter」などが伝えた。

スクロールすると、AIが生成した動画、音声、テキスト、インタラクティブなクイズなどのコンテンツが表示される。上にスワイプすると新しいトピックを表示、横にスワイプすると現在のトピックを深く掘り下げることができ、最後にはクイズが用意されている。ユーザーが「流れを途切れさせることなくスクロールを続けられる」ような設計で、レッスン完了率は80%に及ぶという。

これまで多くの起業家がFor Youページのデザインを教育コンテンツに応用する方法を模索。成功例の一つが、教育動画で埋め尽くされたスワイプ可能なソーシャルフィードを提供するフランスのアプリ「Revyze」だ。一方、米国市場は比較的未開拓のままで、学生たちが教育系YouTubeコンテンツに殺到していることがデータから明らかになっている。ScrollEdに似たアプリに「Coconote」や「StudyRot」がある。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「PDFや教科書をアップすると、TikTokやリール風の縦型フィードに変わるアプリ「ScrollEd」が米国で登場した。中身は、AIが自動生成する短い動画、合成音声の解説、テキスト、対話型クイズの混合フィードだ。上にスワイプすれば次の話題、横にスワイプすれば同じ話題の深掘りが現れ、最後に理解度クイズが待つ。再設計した教材の完了率は80%に及ぶという。発想は割り切っている。学生が教科書を開かないなら、教科書の側がフィードになって会いに行く。スクロール中毒を治すのではなく、スクロールの中身を入れ替えるのだ。折しも世界は逆の方向へ動いている。豪州は16歳未満のSNS利用を法で制限し、欧州でも各国で年齢規制の議論が進み、仏大統領はエンドレススクロールを文化の脅威と呼んだ。遮断へ向かう規制と、転用へ向かう起業家。同じ問題意識から、正反対の解が出てきた格好である。若者からスクロールを取り上げるのか、スクロールに学びを載せるのか。両方の実験の成否を、見比べていくことになりそうだ。」