LINEヤフーは2026年9月28日、子ども向けポータルサイト「Yahoo!きっず」のサービスを12月4日に終了すると発表した。12月3日まではこれまでどおり利用でき、11月には思い出を振り返る特別ページを公開する予定だ。SNSでは、かつての利用者を中心に終了を惜しむ声が相次いでいる。

「Yahoo!きっず」とはどんなサービスだったのか

Yahoo!きっずは1997年11月、当時のヤフーが社会貢献事業として開設した、Yahoo! JAPANの子ども向け版である(2023年10月からはLINEヤフーが運営)。

同サービス最大の特徴は、子どもが安全に調べものをできる検索環境だ。「サーファー」と呼ばれる専門スタッフが登録サイトを一つひとつ確認し、独自のフィルタリングと組み合わせて、不適切なページが表示されないようにしてきた。漢字に読みがなを振る機能もあり、低学年でも使いやすい設計だった。2020年には、同社によると子ども向けポータルとして国内で初めて、フィルタリング付きの画像検索を導入している。

そして検索以外にも、「特集」「学習」「ゲーム」「図鑑」といったコンテンツが充実していた。自由研究や読書感想文の手引き、教科別の学習ページ、動物や星空を調べられる図鑑などをそろえ、学校や家庭での「調べ学習」の定番サイトとして定着した。2008年ごろには、月間の利用者数が約500万人に達していたという。

ゲーム好きにとっても思い出深い場所

ゲームの面から見ても、Yahoo!きっずは印象深い存在だ。2003年にはオセロや囲碁、将棋を導入。Flash全盛期には数多くのブラウザゲームが遊ばれ、なかでも理不尽なほどの難しさで知られるディズニーの野球ゲーム『くまのプーさんのホームランダービー!』は、大人のネットユーザーの間でも語り草となった。2014年にiOSアプリの終了が発表された際には、サイト自体が終わると誤解する声が広がり、ヤフーの公式Twitterアカウントが「きっずは終わりません!プニキも健在です」と打ち消す一幕もあった。

Flashゲームは2020年12月16日、同月末のFlashサポート終了を前に配信を終えた。それでも、タイピング練習ゲーム「しりタイピング」などの提供は続いた。サイト内のゲーム検索ランキングでは、2025年に『マインクラフト』が1位となるなど、子どもの遊びの流行を映す鏡でもあった。

終了の背景にある「子どものネット環境」の変化

では、なぜYahoo!きっずは終了するのか。LINEヤフーは理由として、「子どもたちのデジタル環境の広がり」を挙げている。GIGAスクール構想による1人1台端末、スマートフォン、SNS、動画、生成AIへと利用の場が広がり、課題も「安全に検索・閲覧すること」にとどまらず、リテラシー教育やネットトラブル対策、生成AIの適切な利用にまで及んでいるという。

実際、こども家庭庁の2025年度調査によると、10歳以上の小学生の98.5%がインターネットを利用している。10〜17歳がネットに使う機器(複数回答)は、スマートフォン(78.5%)と学校配布のGIGA端末(72.7%)が上位だ。パソコンで「入口」となるサイトを開いてから調べるという使い方は、主流とはいえなくなっている。

元を辿ると、子ども向けポータルの縮小は以前から進んでいた。NTTレゾナント(当時)の「キッズgoo」は利用状況を理由に2017年に終了し、米国のYahoo! Kids(旧Yahooligans!)も2013年に幕を下ろしている。一方、存続するニフティキッズは、スタッフが全投稿を確認する子ども同士の相談コミュニティに力を入れており、検索の入口とは異なる役割を打ち出している。

子どもがネットに触れる時間と場所が広がった今、求められるのは、どのサービスを使っても自分で情報を見極められる力だ。1997年から続いたYahoo!きっずの幕引きは、その転換点を象徴する出来事といえる。