ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)は10月9日、ホラーを中心に、ジャンル映画を手がける制作・配給レーベル「スクリーン・ジェムズ」の責任者に、YouTube元幹部のフェデ・ゴールデンバーグ氏を任命したと発表した。ハリウッド業界誌「デッドライン」などが伝えた。
ゴールデンバーグ氏は、YouTubeに15年間勤務し、同社の映画・テレビパートナーシップ部門責任者を務めた。今年劇場で話題を集めた『バックルームズ』のケイン・パーソンズ監督、『オブセッション 災愛』のカリー・バーカー監督といったYouTube出身の映画製作者のキャリアを後押しした立役者と評されている。
スクリーン・ジェムズは、ジャンル映画に力を入れていることで知られ、特にホラー映画との関わりが深く『インシディアス』や『バイオハザード』といったヒットシリーズの作品を手がけてきた。ソニーは声明の中で「従来のジャンル映画に長年注力してきた方針を拡大し、次世代のデジタルネイティブのストーリーテラーによる劇場公開プロジェクトも取り入れていく」と語った。
大手映画スタジオがソーシャルメディアでキャリアをスタートさせた監督たちとの契約を模索する一方、ソニーはYouTubeのビジネス面をハリウッドに持ち込むアプローチを取る。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「人事の背景には、ホラーの歴史的な活況がある。2025年、ホラー映画の北米興行収入は初めて年間10億ドル(約1,577億円)を突破し、北米興収に占めるシェアは約17%と過去最高水準に達したとアナリストは指摘する。『シナーズ』や『死霊館 最後の儀式』が大作並みの数字を叩き出す一方、ホラーは製作費が小さく、当たれば数十倍のリターンを生む。配信時代でも「みんなで悲鳴を上げる」体験は劇場でしか味わえず、若い観客を映画館に呼び戻すジャンルとして各社が増産を競う。その主戦場で『バイオハザード』などを手がけてきた名門スクリーン・ジェムズが、次の一手に選んだのがYouTube元幹部の登用だった。好調なジャンルに、新しい才能の供給源を接続する。ホラーブームを一過性で終わらせないための、供給網の再設計と読める人事である。」














