カスタマイズしたAIアバターとチャットできる「Character.AI」は10月12日、連邦破産法11条の適用を申請したと発表。全資産を対象に、裁判所の監督下で「価値最大化のための」売却プロセスを開始した。

この一環として、ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下のディズニー・ワールドワイド・サービスは、2,000万ドル(約31億6,000万円)を支払うことで「Character.AIの特定の知的財産(IP)および特定の債権に対する非独占的かつ永続的なライセンス」の先行入札者となることに合意した。

ディズニーは9月、同社初の最高技術責任者(CTO)に、Character.AIの元CEOであるカランディープ・アナンド氏を任命し、Character.AI従業員の一部も入社すると発表していた。

ディズニーは昨年、オープンAIのAI動画生成ツール「Sora」と自社キャラクターを使用した動画制作に向けたライセンス契約を締結していたが、Soraのサービス終了で破談に。Character.ai資産取得の動きは、ディズニーが依然として自社プラットフォームにAIを組み込む意向を持っていることを示唆している。

取引完了は12月上旬までを見込む。売却手続きを進める間も、プラットフォームの運営は継続する方針だ。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Character.AIを知らない方に説明すると、ユーザーが性格や口調を設定したAIキャラクターを自作し、チャットで延々と会話できるサービスである。アニメ風の人物から歴史上の偉人まで数百万体のキャラクターが作られ、米国の若者を中心に「AIとのおしゃべり」に一日数時間を費やす熱狂的な利用で知られた。一時は評価額10億ドル級とされ、Googleが2024年に創業者を巨額契約で引き抜いたほどの注目株だった。その企業が、連邦破産法11条の適用を申請した。熱狂的に使われることと、稼げることは別物であり、若年ユーザーの保護を巡る訴訟や安全対策の負担も重くのしかかったとされる。そして資産に先行入札したのが、ディズニーだった。キャラクターと会話するという体験の価値を、物語の王国が2,000万ドル(約31億6,000万円)で見初めた。熱狂の技術は消えず、持ち主を変えて続いていく。」