KONAMIは9月25日、『悪魔城ドラキュラ』シリーズの40周年を記念した施策を一斉に発表した。初代作品のスマートフォン版をApp StoreとGoogle Playで10月24日まで無料配信し、合わせてシリーズ作品(DL版)を最大80%オフで販売。さらに2027年春には、東京・ロンドン・ロサンゼルスでオーケストラコンサートを開催することを発表した。
初代『悪魔城ドラキュラ』は1986年9月26日、任天堂の「ディスクシステム」用ソフトとして発売された。発表の翌日が、ちょうど40回目の誕生日だったわけだ。
そもそも「ディスクシステム」とは
ディスクシステムは、1986年2月21日に任天堂が発売したファミリーコンピュータの周辺機器だ。ソフトはカセットではなく「ディスクカード」という磁気ディスクで供給され、容量は当時の一般的なカセットの約3倍、セーブ機能も標準で備えていた。
その最大の特徴は、玩具店などに置かれた「ディスクライター」という機械を使い、500円で別のゲームに書き換えられた点である。カセットの定価が4000〜6000円ほどだった時代に、これは子どもにとって大きな魅力だった。
『悪魔城ドラキュラ』は、KONAMIがこのディスクシステムに参入した第1弾ソフトだ。ムチを振るう吸血鬼ハンターが魔物の城を攻略する横スクロールアクションで、ゴシックホラーという題材は当時としては珍しかった。なお今回無料で配信されるのは、1993年に発売されたファミコンのカセット版である。
「メトロイドヴァニア」の語源にも
同シリーズの影響力を示すのが、「メトロイドヴァニア」という言葉だ。任天堂の『メトロイド』と、『悪魔城ドラキュラ』の海外名『Castlevania』を掛け合わせた造語で、広いマップを行き来し、新たな能力を得ながら探索範囲を広げていくアクションゲームを指す。
シリーズは1987年の2作目『ドラキュラII 呪いの封印』で早くもこの探索要素を取り入れていたが、本格的な転機は1997年の『月下の夜想曲』だった。城内を自由に探索し、レベルアップやアイテム収集で強くなる設計が、『メトロイド』に近い遊びを生んだ。こうした作品群を指す呼び名として、2000年代初頭から海外のファンの間で使われ始めたとされる。いまでは『Hollow Knight』をはじめ、世界中のインディーゲームが採用する、一大ジャンルの名前になった。
無料配信は新作への「入口」
では、なぜ40年前のゲームを無料で配るのか。KONAMIは公式サイトで、シリーズを支えてきたファンへの感謝を理由に挙げている。ただ、発表を並べると別の狙いも見えてくる。
鍵となるのは、10月15日発売の完全新作『Castlevania: Belmont’s Curse』である。『悪魔城伝説』(1989年)の23年後を描き、KONAMIが「探索型2Dアクション」と位置づける、メトロイドヴァニアの系譜の新作だ。開発は『Dead Cells』の継続開発で知られるEvil Empireが担い、同作を生んだMotion Twinもアドバイザーとして関わる。
スマホで初代に触れ、10月上旬までのセールで過去作をまとめて遊び、体験版を経て新作へ進む。今回の無料配信は、シリーズ未経験者を新作へ導く入口として機能しそうだ。初代の配信期間が新作発売の9日後まで設定されている点も、この流れと符合する。
1986年生まれの「40周年ラッシュ」
また、1986年は『ゼルダの伝説』や『ドラゴンクエスト』が生まれた年でもある。任天堂は9月8日に「ゼルダの伝説40周年 Direct」を配信し、リメイク版『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の11月5日発売や、2027年1月に始まる40周年コンサートを発表した。
名作の誕生日に旧作やリメイク、音楽イベントを束ねてファンを呼び戻し、新作へつなげる。同じ年生まれのIPが一斉に40周年を迎えた今年は、この手法がとりわけ目立つ。KONAMIは2024年に『SILENT HILL 2』のリメイクを、2025年に『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』を発売するなど、往年のIPの再起動を進めてきた。『悪魔城ドラキュラ』の40周年は、その流れを受け継ぐ次の一手と言えるだろう。














