マイクロソフトは2026年9月22日、ゲーム事業「XBOX」の新たな組織再編と、268人の人員削減を発表した。

なかでも話題を集めたのが、XBOXを象徴するシューティングゲーム『Halo』の次回作を、『コール オブ デューティ』(CoD)で知られるActivisionが開発するという決定だ。単なる担当替えではなく、XBOXのあり方そのものを変える動きといえる。

『Halo』の開発はActivisionへ

『Halo』は2001年、初代XBOXと同時に登場した看板シリーズだ。初期はBungieが手がけ、2012年の『Halo 4』以降はマイクロソフト社内の343 Industries(2024年にHalo Studiosへ改称)が開発を担ってきた。今回の発表では、Activision内にCoDとは別の『Halo』専任チームを新設し、Halo Studiosは小規模な体制で既存作の運営を続けるとされる。

今回の再編はこの『Halo』にとどまらない。『Sea of Thieves』のRareと『Age of Empires』のWorld’s EdgeもActivisionの管轄に入り、『Fallout: New Vegas』で知られるObsidianはBethesdaの管轄へ移る。レースゲーム『Forza』の2スタジオは統合され、ソリティアなどを手がける部門はモバイルゲーム大手のKingへ合流する。

背景にある「XBOX Reset」

本事例の発端になったのは、2026年2月のトップ交代劇だ。12年間XBOXを率いたフィル・スペンサー氏が退任し、社内のAI部門を率いていたアシャ・シャルマ氏がゲーム部門のCEOに就任。同氏は6月、100日間かけて事業の課題を改善する「XBOX Reset」を打ち出し、7月にはXBOX部門で約1600人の人員削減を実施している。

シャルマ氏が示した現状認識は厳しい。報道によれば、XBOXの利益率は同業他社の3分の1から10分の1程度にとどまり、定額制で多数のゲームが遊べる「Game Pass」も、他社ハードへの作品展開も、期待したペースでは伸びなかったという。マイクロソフトは2021年にBethesdaの親会社ZeniMax、2023年にActivision Blizzardを買収し、傘下スタジオを大きく増やしてきた。その拡大路線を見直す局面に入ったのだろう。

「スタジオを持つ」から「シリーズで束ねる」へ

注目すべきは、削減の人数より組織の組み方の変化だ。マイクロソフトは今回の目的を、事業単位を絞り込み、連携の深いグループを統合して、パブリッシング(販売・宣伝など)の専門性に集中するためだと説明している。多数のスタジオを横並びで抱えるのではなく、Activision、Bethesda、Kingという実績ある大きな組織に人気シリーズを預ける形へ移りつつあるといえる。

また、同じ流れは他社にも見られる。Ubisoftは2026年1月、ジャンルやブランドごとに開発から販売までを担う「クリエイティブハウス」体制への移行を発表した。開発費が高騰するなか、大手各社は「どのシリーズに資源を集めるか」を組織の単位で示し始めている。

こうした事例の一方、その枠組みに収まらないスタジオは切り離されていく。シャルマ氏は7月の時点で、優れた独立系スタジオをすべて自社で抱えることはできないとの考えを示していたと報じられている。実際にDouble FineやUndead Labsはすでに独立し、『Hellblade』のNinja Theoryは売却交渉が2件とも不成立に終わり、閉鎖を含めた協議に入った。

プレイヤーにとって何が変わるのか

だが本当に気になるのは、純粋にゲームを愛し遊び続けるプレイヤーたちへの影響だ。マイクロソフトは7月の段階で、人員削減に伴って発表済みのゲームを中止することはないとしていた。今回も、独立したUndead Labsの『State of Decay 3』は発売初日からGame Passで遊べる予定に変更はなく、ObsidianとBethesda Game Studiosによる『Fallout』新作の開発も継続が明言された。当面、大型シリーズの供給は守られる見通しだ。

ただしマイクロソフトによれば、再編計画はまだ約4分の3程度とのこと。10月6日にはXBOX全体向けの社内説明会も予定されており、最終的な姿は続報を待ちたい。