人気の画像・動画生成AIツール15種のうち、著作権で保護されたキャラクターの画像を再現する点でMidjourney v8.1が最も問題が多いーー。
生成AIツールの著作権侵害についてストレステストを行うスタートアップ「VN.ai」が9月に実施した調査結果を基に、ハリウッド業界誌「デッドライン」が10月14日報じた。

ウォルト・ディズニー・カンパニー、NBCユニバーサル、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は昨年、Midjourneyを著作権侵害で提訴したが、依然として改善の兆しは見られないようだ。同AI企業は、著作権で保護された素材を用いてAIモデルを学習させることは、フェアユース(公正利用)に当たると主張している。

ブランドセーフティ違反の点でもMidjourney v8.1は競合他社を上回っており、37%の確率でキャラクターが暴力や薬物使用の場面など「有害な文脈」に配置されていた。

また、テキストプロンプトにキャラクター名が明記されていなくても、調査対象全てのAIモデルが最低1つの著作権で保護されたキャラクターを生成。これにはグーグルの「Nano Banana」やバイトダンス(北京字節跳動科技)の「Seedance 2.5」も含まれるが、後者はハリウッド映画スタジオからの差止請求書を受け取った後、大幅に改善されているという。

VN.aiの創業者ネルソン・チュー氏は、AIモデルが著作権を無視し続けているのは「ビジネスにとって有益であるため」だが、いずれはそういったやり方は許されなくなるだろうと予想している。

榎本編集長「このニュースの主役は、MidjourneyよりもVN.aiという会社の存在かもしれない。生成AIに意図的な負荷テストを行い、著作権キャラクターの再現されやすさや、有害な文脈への配置を定量化して比較する。同社自身がIPリスク検出サービスを権利者に販売する企業であり、中立の審判というより「計測を商売にする当事者」だが、それこそが変化の核心だろう。生成AIの権利リスクは、訴訟で初めて争われる問題から、取引や契約の前に測定・管理する対象へと性格を変えつつある。実際、バイトダンスのSeedanceはスタジオ側の警告書を受けた後、問題のある生成が大幅に減ったと報告されており、計測と警告の組み合わせが行動を変えうることを示唆する。キャラクターの生成がただちに法的な侵害認定を意味するわけではなく、評価は裁判所の仕事だ。それでも、数字が交渉の席に載る時代は始まっている。」