データセンターは巨大化し、その電力需要はもはや米国の州全体に匹敵するほどになる。例えば、メタ・プラットフォームズが米ルイジアナ州で建設中の巨大AIデータセンター「ハイペリオン(Hyperion)」は、サウスダコタ州と同程度の電力を消費することとなる。TechCrunchが4月1日伝えた。

メタは3月27日、270億ドル規模の同データセンターを支えるため、既に建設を約束していた3基に加え、さらに7基の天然ガス火力発電所への出資を発表。これら10基の発電所を合わせた発電量は約7.5ギガワットと、サウスダコタ州全体の電力供給能力をわずかに上回る規模となる。

TechCrunchがエネルギー省のデータに基づいて試算したところ、同データセンターの二酸化炭素(CO2)年間排出量は1,240万トンと、2024年のメタの総カーボンフットプリントを50%上回る水準となる。多くのテクノロジー企業と同様、長年にわたり環境問題への取り組みをアピールしてきたメタにとって、同社のコミットメントが試される場になるとみられる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「AIの進化には、莫大なエネルギーコストが伴う。メタが270億ドルを投じるデータセンター「ハイペリオン」の年間CO2排出量は1,240万トンと試算され、同社の2024年の総排出量を50%上回る。「州全体の電力に匹敵する」という規模感は、AI時代のインフラがもはや単なるITの話ではなく、エネルギー政策・環境問題と不可分であることを示している。

エンタメ産業もこの問いと特に深く関わる。IEAの試算では、AIの消費電力の70〜80%が画像・映像・音声生成といった非テキスト系の処理に集中しているとされる。ストリーミング配信、AI映像生成、ゲームのリアルタイムレンダリング——まさにエンタメの中核をなす領域が、データセンターの電力需要を押し上げている当事者になりつつある。

NetflixやSpotifyが「グリーン化」を掲げる一方で、それらを支えるインフラは天然ガス火力発電所に依存している。長年「環境コミットメント」をアピールしてきたメタが試される局面は、エンタメ×テック全体が遅かれ早かれ向き合う問いの先行事例かもしれない。」