Spotifyは3月31日、マーケティングチャネル全体での収益拡大と売上向上を図るため、インタラクティブなカルーセル広告を導入。自社はもはや「ストリーミングプラットフォーム」ではなく、「インタラクティブなマルチフォーマット・エコシステム」に進化したと強調した。
新たなスワイプ式広告では、ブランドは最大6つの異なる商品をアピールでき、各スライドには独自の画像、リンク、説明文に加え、オプションで価格やプロモーション情報を掲載可能。これら広告はアプリの「再生中」画面に表示され、ユーザーがコンテンツを視聴している間、画面上に表示される。
Digital Music News(DMN)によると、Spotifyの広告営業・パートナーシップ担当グローバルヘッドであるブライアン・バーナー氏は「ユーザー体験は、よりインタラクティブで、音声や映像を重視したものへと変化しつつある」とした上で、今こそ自社の広告戦略にこうしたトレンドなどを確実に反映させるべき時だと話した。
Spotifyは併せて、スポンサードプレイリストの形式を一新。広告主は特定のプレイリスト再生中に表示される広告を自社広告で独占できるようになった。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Spotifyがスワイプ式の広告とスポンサードプレイリストを始めた。その影響は広告主だけでなく、アーティストとリスナーの関係にも及ぶ。Spotifyはすでに「ディスカバリーモード」——ライセンス料を下げる代わりにアルゴリズムへの露出を増やす仕組みで、現代版の「ペイオラ」ではないかとの議論も呼んでいる——を導入しており、「どの枠を買うか」がアーティストの収益に直結する構造は深化する一方だ。新譜向けのMarquee、旧譜も含めたShowcase、そして今回のDiscovery Feed内プロモーション強化と合わせると、アーティストが「自腹を切って露出を買う」ツールが出揃った形だ。TikTok Shopが「動画を見る→その場で買う」という流れを作ったように、SpotifyはShopifyとのグッズ販売連携やCountdown Pagesによるリリース前予約など、「聴く→関わる→購買する」というコンテキスト・コマースを設計しようとしている。音楽体験と商業行為の境界線が薄れていく中で、リスナーが「音楽を楽しむ場所」として信頼し続けられるかが、Spotifyにとっての本質的な問いかもしれない。」














