テレビで視聴するユーザーの数がモバイルを上回り、米国のテレビ総視聴における最大シェアを占めるまでとなったYouTubeが、さらにテレビ向け機能の拡充を進めている。
Tubi、Pluto TV、RokuといったFASTプラットフォーム(広告付き無料ストリーミングTV)に多数存在する24時間放送チャンネルへの対抗策として、クリエイターが24時間コンテンツ配信できる機能「Stations」を導入。4月10日から米国で開催される音楽フェスティバル「コーチェラ」で活用される予定だ。
このほか、これまでデスクトップ版とモバイル版で利用可能だった、同社のチャットボットアプリ「Gemini」を活用した会話型AIツール「Ask」をテレビ版でも利用可能に。動画視聴中にリモコンのマイクを使用して質問ができるようになった。
また、スマートフォンとテレビのペアリングシステム「TV Companion」を導入。ユーザーのスマホがテレビで再生中のコンテンツを自動的に認識し、コメントへの参加や再生操作、コンテンツの詳細確認などを、映像を見逃すことなく行えるとしている。なお、同システムはYouTube側で統合されているため、複雑なペアリングやWi-Fiのトラブルシューティングは一切不要という。
米国のオンラインエンターテインメント専門メディア「Tubefilter」は、「後二者の機能において興味深いのは、YouTubeがNetflixの今や悪名高い『セカンドスクリーン』戦略とは正反対の方向に進んでいる点だ」と分析している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「YouTubeがテレビ大国アメリカでテレビの視聴シェアで首位に立ち、次にやったことが「24時間放送チャンネル」と「リモコンで話しかけるAI」の実装だ。
Stationsは、Tubi・Pluto TV・RokuといったいわゆるFAST(広告付き無料ストリーミングTV)プラットフォームが開拓してきた「ながら見」需要をYouTubeに取り込む試みだ。
コーチェラでの活用は、音楽フェスのライブ配信という「生もの」コンテンツとの相性を試す絶好の実験場になる。TV Companionが示す方向も興味深い。Netflixが「セカンドスクリーンを排除する」戦略を取ったのに対し、YouTubeはスマホをテレビの「コントローラー」として統合することで、二画面の分断ではなく融合を選んだ。
コメント参加・再生操作・詳細確認をスマホで行いながら映像に集中できる設計は、YouTubeのコミュニティ文化をテレビ画面に持ち込む試みだ。
誕生から数年で「テレビの再発明になる」と謳われたYouTubeが、広告収入404億ドル(約6兆4,000億円)を背景に、「最大のテレビ局」から「テレビを再発明するプラットフォーム」へといよいよ進化しつつある。」














