米クラウドソフトウエア大手セールスフォースは3月31日、ビジネスチャットツール「Slack」の刷新を発表。今後数カ月で30以上のAI新機能が利用できるようになり、AIエージェント「Slackbot」は従来のパーソナルエージェントから「究極のチームメンバー」に進化したと主張している。
中でも注目すべきは、同社が「再利用可能なAIスキル」と称する、ユーザーがSlackbotに対して特定のタスクを定義できる機能。一度作成すれば、さまざまなシナリオや状況で活用できるものだ。同ボットにはAIスキルのライブラリが標準搭載されているが、ユーザーは独自のカスタムバージョンを作成することも可能という。
これらスキルを設定すれば、従業員の作業を大幅に削減可能。例えば、ユーザーはSlackで「予算を作成」といった簡単なコマンドを入力するだけでスキルを起動でき、Slackbotが情報収集から実行可能な計画の作成、関係者を招集した会議の設定などを自動で行なってくれる。
Slackbotはまた、MCP(AIと外部ツールとの連携を標準化する技術)採用で外部のサービス・ツールとの連携が可能に。さらに、Slackの外でも動作し、ユーザーのデスクトップ上の活動を監視して、重要なタスクに対する具体的な提案やフォローアップの草案を作成してくれる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「「究極のチームメンバー」——Slackbotのこの呼称が示す変化の核心は、採用したMCP(Model Context Protocol)にある。AIと外部ツールの連携を標準化するこの技術が普及するほど、特定のプラットフォームに縛られない「AIエージェントのエコシステム」が形成される。
このトレンドの熱量を象徴する発言が、MEDIAMIXIが取材したSXSW 2026から届いた。YコンビネーターCEOのギャリー・タン氏は「AIエージェントと仕事ができることに興奮しすぎて『サイバーサイコシス』にかかり、ほとんど眠れていない」と笑いながら、「1,000万ドルのVCと10人のチームで2年かけたスタートアップを、また立ち上げられる気分だ」と語った。
実際に同氏はClaude Codeの設定「gstack」をオープンソースで公開し、GitHubで2万件近いスターを獲得している。ChatGPTがApple MusicやShazamと連携し、SlackbotがSalesforceの外でも動く——個別の機能競争から、どのAIが「あらゆるツールをつなぐハブ」になるかという競争へと移行しつつある。
「AIを使う」から「AIと働く」への転換が、業界のワークフローを根本から再設計していく。」














